22/9/26掲載

人が「居る」ランドスケープ資産

no.1-8「柳が崎湖畔公園」

湖辺に人の姿が絶えることの無い都市公園であるとともに、山から流下した土砂で砂浜が補完されるという、自然現象と人為との相互作用を目撃できる場でもある。

村上 修一 / 滋賀県立大学

新旧二つの河口州とその間の砂浜に立地する都市公園であり、比叡山のみならず湖南、湖東、湖北の山並みが一望され、四季をとおして水辺に人の姿が絶えることはない。比叡山南麓から琵琶湖に注ぐ柳川の新旧二つの河口州、および、その間の砂浜には、復元された昭和初期建築、英国風庭園、散策路、芝生広場がある。

市街地の親水空間として高い価値を有する公園で、散策路からは、旧河口州の柳ヶ崎を境に、湖南から湖東、湖北へと大きく変わる対岸の景観が楽しめる。近隣市民の散歩コースとしても日常的に親しまれている。散策路沿いの大半は砂の汀で接水性が極めて高く、天気の良い休日には釣りやサップなどの親水活動を楽しむ人々でにぎわう。また、山から流下した土砂で砂浜を補完するという、自然現象と人為との相互作用を目撃できる場としての価値も高い。2021年夏の洪水で柳川の河床が後背地より高くなるほど土砂が堆積、その浚渫土砂によって新河口州に砂山が出現した(写真)。その一部が浜欠けと草地化の進んでいた砂浜に用いられた。

大津市:公園施設案内:大津市ホームページ < https://www.city.otsu.lg.jp/soshiki/035/1809/g/koen/koen/index.html >,更新日不明,2022.9.4参照