21/10/20掲載

人が「伝える」ランドスケープ資産

no.4-1「みなとのもり公園(神戸震災復興記念公園)」

高架道路下のスペースの有効利用として、スケートボードやインラインスケートが出来るニュースポーツ広場も本公園の特徴である。多様な世代が集い清掃活動や緑化活動で交流するきっかけづくりも大変参考になる。

嶽山 洋志 / 兵庫県立大学

阪神・淡路大震災の経験と教訓を後世の人々に継承するため、神戸のまちが復興から発展へと前進する姿を木々の生長とともに見つめていく公園を基本理念に、復興の記念事業および防災公園として整備され、震災から15年目の2010(平成22)年1月17日に開園した。非常時の際に避難場所として活用する芝生広場、62基のマンホールを簡易トイレとして利用する災害用仮設トイレ、非常時に必要な物資の備蓄倉庫などの災害時対応施設を有し、また被災樹木など震災に関連する施設を配置することで経験や教訓の継承を目指している。日常利用としては芝生広場とそれを囲むジョギングコース、多目的広場を中心としたスポーツ利用が活発である。

阪神・淡路大震災の復興記念公園として特徴があること、また多くの市民が自宅で育てたドングリの苗木を持ち寄って植樹しするといったような「つくり続ける」ことをコンセプトに据えていることが評価できる。

橘俊光・平田富士男(2013):阪神・淡路大震災の記憶等を伝える公園及び公園施設等の現状と課題、ランドスケープ研究、76(5), 517-520.