21/9/15掲載

人が「居る」ランドスケープ資産

no.1-2「泉北ニュータウンの緑地系統」

オールドタウン化の課題が指摘されるなかで、安心して利用できる歩行者空間のネットワークの重要性はますます高まっており、計画当初の機能に加えてニュータウン再生の重要な役割を担う空間になると考えられる。

武田 重昭 / 大阪府立大学

計画面積1,557haの泉北ニュータウンにおける公園や緑道による緑地体系。原地形を保存した公園緑地系統が計画されている。建設当初の緑地体系は、入居したファミリー層の通勤や通学、買い物などを中心に利用されたが、高齢化が進んだ現在では、健康・レクリエーションのための散歩やジョギングのコースとしても利用されている。

千里ニュータウンと同様に近隣住区論を基調とした住区構成が踏襲されたことに加え、複雑な地形を活かした自然立地型土地利用が計画当初から目標に掲げられ、風致への意識や水系の重視、樹林地の保全を伴った緑地系統となっている。これによって、ニュータウン全域にわたって安全な徒歩生活圏が形成されている。

大阪府企業局(1986):泉北ニュータウンの建設