22/11/30掲載

実務家が見出すランドスケープ資産

no.13「箕面公園」

箕面大滝は、古くは修験道の道場であったといわれ、昔から紅葉の名所として広く親しまれている。滝周辺や川筋の区域は現在大阪府営公園となっている。そのルーツは明治6年の公園設置に関する太政官布達に基づき、大阪府の公園候補地のひとつに箕面山が挙がったことに遡る。以後、様々な取り組みを経て明治31年5月20日正式に大阪府営「箕面公園」が誕生し、現在に至る。滝に向かう川筋の「滝道」沿いには瀧安寺や昆虫館等の他、旅館や料亭、土産物屋等が並び、昔ながらの観光地の風情を留めている。公園区域全体が国指定名勝「箕面山」でもあり、また滝周辺は「明治の森箕面国定公園」の区域に含まれ、森林浴の森100選にも選ばれるなど、自然豊かな環境を有している。

一般的な都市公園のイメージはほとんど感じることがなく、都市近郊の身近な観光地の雰囲気を持つレクリエーションの場所である。豊かな自然環境を基盤として、昔ながらの歴史を感じさせる観光資源と、府営公園として求められるニーズを両立させたランドスケープの事例ではないかと考えている。

中西 広樹 / (株)ヘッズ