22/7/26掲載

人が「伝える」ランドスケープ資産

no.4-4「鷲原八幡宮と馬場」

津和野の町全体が日本遺産の津和野百景図の名残を色濃く残しているが、栗本格斎翁が描いた百景図の中でも、この八幡様と馬場は最も江戸の風景をより感じられる場である。

福井 亘 / 京都府立大学

鷲原八幡宮は城下町の一角にあり、天暦年間(947年-956年)に創建された神社である。旧津和野藩・藩主亀井氏により崇拝され、今も地元人々の信仰の場として崇められている。境内には鏑流馬神事の馬場があり、年一度神事が執り行われている。馬場には、江戸時代後期の植生とほぼ同様の樹木が維持され、日本遺産でもある江戸の風景を描いた「津和野百景図」に描かれた風景が、ほぼそのままに今も残されている。
この馬場は、室町時代に作られたと言われ、日本で古代の原型を残す唯一の流鏑馬馬場である。現在も維持、利用されている点に固有性が高い。

津和野町郷土館 (2015) : 津和野百景図 : 津和野町郷土館、 47-55、 132-136