21/7/30掲載

人が「愛でる」ランドスケープ資産

no.2-1「佐田岬の自然景観と伊予青石」

青い砂浜と青石,緑の植生。青石を使った道がそこに溶け込み、この地域独特の雰囲気が漂う美しい自然と人工の景観を楽しめる。

福井 亘 / 京都府立大学

細長い佐多岬とそれを構成する伊予青石が見られる自然景観。「伊予青石」は、愛媛県北部を東西に走る三波川変成帯に分布する美しい青色(青緑色)の結晶片岩であり、愛媛県を代表する自然石として知られ、古来広く使用されてきた。この青石の岩壁が佐田岬の海岸線に沿って露出し、砕かれ砂状になった青い砂浜と相俟って、他に類をみない景観となっている。また、佐多岬の先端部へ行くまでの舗装路は当地の石材を用いた整備がなされており、周辺と調和した青色の独特な整備の景観が見られる。海岸植生の緑と石の青色の織り成す様も美しい。

「青」が特徴的な自然景観。青い色の三波川結晶片岩による石の壁面や青い砂浜等がこの地域独特の雰囲気を生み出し、周辺の海岸植生の緑と相俟って、比類のない美しい景観を創り出している。