21/11/20掲載

人が「愛でる」ランドスケープ資産

no.2-3「下灘駅と伊予灘の景観」

下灘駅のプラットホームから見る伊予灘に沈む夕日は、とても美しい。春夏秋冬において、それぞれの季節が感じられる伊予灘と鉄路と駅舎との合わさった景観も美しく、プラットホームで時間を忘れるぐらい景観が楽しめられる。

福井 亘 / 京都府立大学

下灘駅舎は昭和10(1935)年に設置され、駅舎・鉄路の西側に国道と伊予灘が広がる景観である。東側に山の急斜面、西側に海、南北を通る鉄路と駅舎と国道。駅舎とプラットホームからは広がりのある伊予灘が遠景として眺められ、俯瞰景観を構成している。戦前に設置された駅舎はいままで大きな空間的変化はなく、現在も地域住民の足として活用されている。それは住民にとっての重要な交通網であり、生活の中に溶け込む鉄道景観と伊予灘による自然の光景が重層化された景観となっている。

鉄道と海の光景の調和が美しい。人の手による鉄道路線・駅舎、プラットホームの景観と、伊予灘の自然景観とが織りなす、傑出した景観である。

伊予市 (2012) : 伊予市景観計画, 伊予市, 67pp